経済無知

【日銀の大量供給続く＝3日間で16兆円超】

日銀は4日、金融機関が手元資金をやりとりする短期金融市場に5兆5000億円を供給した。日銀は1日の臨時金融政策決定会合で追加金融緩和に踏み切り、その翌日から通常を大幅に上回る大量供給を続けている。3日間合計の供給額は16兆7600億円に上った。
　連日の大量供給により、短期金利は全般に低下。円のロンドン銀行間取引金利（LIBOR）も低下して6カ月物は3日時点でドルに並び、円高の一因とされていた日米金利逆転の状態は解消されつつある。
(12月4日15時1分 時事通信)

民主党はなにもやっていませんが、
日銀が単独で介入に動いていますよというお話。

でも介入の規模がイマイチなのは、
日銀としても渋々というところがあるのでしょう。

なにせデフレです。
第二四半期のデフレギャップで37兆円もあったのです。
日本国内の供給能力に対して需要が37兆円（6.7％）も足りないのです。

今の日本は供給に対しての需要が不足していることが問題なのです。
そういうところにお金を投入しても
需要という使う先が無いのですからデフレを解決できません。


さて、デフレ経済下ではGDPという全体のパイが減っていきます。
だからこそ政府は支出を増やす事でGDPという全体のパイを維持しつつ
経済の回復を目指すのが正しい選択肢です。

特に日本の国債は９４％ほどが国内で買われています。
つまり、日本人から日本政府がお金を借りているので、
国民一人当たりの借金ではなく、国民一人当たりの貸し出しなのです。

国債を持っている人は政府が利子をつけてくれるので、
逆に国債を綺麗に償還して片付けられると
そのお金の分の資産運用先を見つけなければなりません。

アダム・スミスが指摘したように国債を償還しきった国などありません。

ましてや日本の国債は円です。
困っても円を刷れば良いので破産することはありえません。

ジンバブエは債務不履行（デフォルト）しましたか？していません。
記録的なハイパーインフレで紙幣を刷りまくってるジンバブエも
海外通貨で債務を作っているわけではないので
いくら刷ったところでデフォルトにはなりません。


今日本政府がやるべき事はデフレギャップの分を埋めるために
お金を使う先を作る事なんです。
こういう場合は公共投資が一番即効性があります。
思い切った経済政策で日本の内需を喚起することで、
今度は海外が日本の内需を目当てに輸出してきます。

海外の方も輸出で景気が良くなれば日本からの輸出も増えます。

金は天下の回り物といいますが、日本経済がグローバル化した以上、
こういう構図でものを考えねばなりません。

では、民主党は何をやっているかといえば、
公共投資を目の敵にして削りまくっています。

さらに事業仕分けなどという
支持率稼ぎのためのパフォーマンスで支出を削っています。


子供手当は「貯金する」と言っている人が大半なのですから、
経済政策としてはマイナスです。
これこそ事業仕分けで言う無駄ですね。

言い方は悪いですがたとえ強制的でも
「使われる」事が経済政策になります。

その点で公共投資は強制的に「使われる」のです。

小泉時代からの三位一体の改革によって
全国各地の道路整備が滞っているどころか、
改修が必要なものでも放置されていたりするのが現状です。

そりゃ獣しか通らないような道路は不要ですが、
ライフラインとなる道路の整備や
道路幅が足りずに輸送路になりえない橋の拡幅など
こういったものは全国で需要があります。

従って、今やるべき事はデフレギャップを埋めるためにも、
インフラ整備のためにも
国債を刷ってしまってどかんと公共投資を行うことです。


なぜ小泉改革によってデフレが解決しなかったのか？
民主党はこの点をまったく理解していません。

民主党は新自由主義の小泉改革に賛同していました。
選挙のために小泉批判をしまくったわけですが、
小泉純一郎が
「民主党こそ小泉改革の真の継承者だ」
と発言しましたが、
民主党にはこの言葉を理解出来る人間がいないようです。

財務官僚に手玉に取られている民主党は
問題の根っこが一切理解できないレベルなのです。
そのために元大蔵官僚の加藤秀樹のような輩に主導されているのです。


不況の最中に増税をする、歳出削減をするなどは
過去にいくらでも失敗例があります。

日本でも大きくGDPが減ったのは
財政健全化を優先し、消費税を５％へ引き上げた橋本政権と
国債30兆という枠をはめて国債の発行額を規制した小泉政権です。
デフレ経済下で増税や歳出削減というのが
これほど身近に失敗例があるにもかかわらず、
民主党は小泉型をさらに進めようとしています。

GDP情報を漏洩した直嶋経済産業相
ひたすら円高誘導をしつづけた藤井財務相
歳出削減でGDPが減ることすら理解できず、
国会でも9割方居眠りをしている菅直人国家戦略担当
銀行の貸し渋りを加速させるだけのモラトリアムを進めた亀井金融相
そして脱税総理

ここまで経済担当に酷い人材がそろってる内閣は戦後初でしょう。

失敗は火を見るより明らかです。