小沢は大事にしたほうがいい

検察審査会で小沢が全員一致で「真っ黒だろ」と判断された件についてです。

【辻恵副幹事長「国民の感情で簡単に被告席につけてしまっていいのか」】

　民主党の「司法のあり方を検証・提言する議員連盟」（会長・滝実衆院法務委員長）が２８日発足し、衆院議員会館で初会合を開いた。
議連の事務局長に就任した辻恵副幹事長は、検察審査会がＪＲ西日本の歴代社長や小沢一郎同党幹事長を起訴相当と議決したことを念頭に、「国民の感情で簡単に被告席につけてしまっていいのか」と述べ、審査会のあり方に疑問を呈した。

　初会合には、辻氏や陣営幹部が政治資金規正法違反罪で起訴された小林千代美衆院議員ら国会議員約２０人のほか、元検事の郷原信郎名城大教授が出席。郷原氏は「検察がわれわれに理解できないような捜査をやって、（捜査が）止まってしまったら、それをあおるような方向でこの制度が使われている」と指摘した。
（2010/04/28　時事通信）


民主党が批判をするときは１００％ブーメランを投げています。

【橋本元首相ら不起訴は不当。永田、辻両議員が検審に申し立て-2004/10/05-…民主党】
　民主党の永田寿康、辻恵両衆議院議員は５日、自民党旧橋本派への日本歯科医師連盟（日歯連）１億円献金隠し事件で、政治資金規正法違反容疑で告発した橋本龍太郎元首相、野中広務・元自民党幹事長、青木幹雄・自民党参院議員会長を不起訴とした東京地検特捜部の処分を不服とし、東京第二検察審査会に審査を申し立てた。
（民主党公式サイトより）


・不起訴は不当だ！検察審査会に訴えてやる！
　　↓
・不起訴は当然だ！検察審査会で覆すのは間違ってる！

これで誰が納得するんでしょうかねぇ・・・。


辻恵と言えば当ブログでもhttp://ttensan.exblog.jp/10811056/
詐欺で訴訟を起こされている弁護士でもあります。



さて、民主党が批判している検察審査会の権限を強化する法案は
小泉時代に提出可決されたものです。

刑事訴訟法等の一部を改正する法律案　法律案（内閣提出）

議案要旨
第三　検察審査会法の一部改正
　一、検察審査会制度の議決に対するいわゆる法的拘束力の付与　
　　１　検察審査会が起訴相当の議決をした後、検察官が再考をしても不起訴処分を維持したときは、
検察審査会は、再審査を行い、起訴をすべき旨の議決をすることができる。
　　２　裁判所から指定された弁護士が、起訴をすべき旨の議決に従って、公訴の提起及びその維持に当たる。

採決結果
自民　全員賛成
民主　全員賛成 ←ここでもやはりブーメラン
公明　全員賛成
共産　全員反対
社民　全員反対


今回も小沢は
「検察は必ず正しい選択（不起訴）をする」
とこれまでと同じ強気の発言をしています。


検察審査会の要旨より簡単に列挙しますが、

１，石川、池田、両名とも
　収支報告書に関して小沢に説明、報告、了承を得ていたと供述

２，小沢の説明は整合性が無く信用できない。

３，4億円について小沢自らが署名、押印、
　さらにわざわざ定期預金を担保に金利（450万）を払うなど
　執拗な偽装工作をしている事

４，念入りな工作を行って登記を1年間も遅らせていること
　（多額の資産を持っていないように見せかけている）

５，小沢に隠して大久保、石川、池田ら各秘書が偽装する必要も理由も無い。

等、小沢を共謀共同正犯とみなすだけの根拠を挙げています。

共謀共同正犯を強く疑えるだけの証拠がありながら、
最高検が不起訴を判断したわけです。
それに国民が納得していないという結論です。


小泉政権時代に小泉が言っていた「小沢は大事にしたほうがいい」

この言葉の意味合いが今回のこの検察審査会の
「起訴相当」判断によって大きいものになってきたと思います。

小沢は与党幹事長という以前に絶対権力者で独裁者です。

そして検察の人事交代を控え、執拗な検察批判、
検察の人事まで直接内閣が行う旨の発言を繰り返すなど、
明に暗に圧力と取れる発言を繰り返しました

とすれば
　「どうせ小沢のことだから検察に手を回して不起訴にさせる」
という読みでもあったのではないかとすら思います。

「小沢は大事にしたほうがいい」

郵政解散選挙で小沢と民主党の野望を一度砕き、
自民党に巣くう利権政治屋の一部を追い出した点で
（その追い出された連中のほとんどが現与党に集まっています）
小泉純一郎の功績は大きいと思います。

いま再び小沢に小泉の残した壁が立ちはだかっています。


検察がこれで不起訴を再び選択しようと、
もう一度行われる検察審査会でも
「起訴相当」を避けることは難しいでしょう。

金丸を見逃して国民からその信を失墜させた検察が
再び小沢でその信用を失墜させ、
そして三度失墜させるのであれば、
二度目の「起訴相当」によって検察は恥辱を味わうことになります。

小沢の進退が問われているだけでなく、
検察の不正義も問われています。