戸別所得補償で二枚舌の民主党

今日の参院予算委員会での桜井充議員との質疑で
戸別所得補償で民主党が嘘を言ってきた事が判明しました。


・嘘吐き民主党

戸別所得補償によって農産物の値段を下げること。
そして最終的には海外からの安い農産物に
関税をかける必要が無いレベルまで値段を下げること。

以上のことを桜井議員が戸別所得補償のメリットとして説明し、
山田大臣が素直にこれを認めました。

今まで野党議員からの指摘に対して徹底して
「戸別所得補償を行う事で需要に対しての生産量の調整が実現され価格が安定する。
価格が下落することはない。」
と、言い続けてきました。


それが身内である民主党の桜井充議員が
「戸別所得補償を進めれば価格を下げることによって海外の農産物との競争力が生まれる
これこそが戸別所得補償の本当のメリットです。」
と持ち上げる発言をした途端にそれを認めたわけです。

では今までの
「生産量が引き締まるから米の価格下落は無い」
と言って米作農家からの米価下落の懸念を否定してきた発言はなんだったのでしょうか？

今後も野党の追及には「価格下落は無い」
身内の質問には「価格引き下げができる」
という二枚舌答弁を続けるのつもりしょうか？



・財源が無い

民主党はあらゆる農産物だけでなく漁業にも戸別所得補償を行うとしています。

日本の農産物は4,7兆円という生産額になっており、
実は先進国の中では２番目の生産額です。
OECDは日本が農業保護を行うために補償するのであれば
５兆円規模の財政措置が必要であるとしています。

しかし、今回民主党が用意した戸別所得補償の金額は
農地改良や集積などのための予算を廃止して用意した3400億円です。
現在ですら財源が無くて農業支援政策を潰してお金を作っているのです。



・増税、増税、増税

桜井議員は財源について
「消費税を少なくとも１％上げて財源にさせてもらえば2.5兆円出せる」
と発言しています。

菅内閣は選挙前の閣議で消費税22％を目標に
どうやって増税していくかのシナリオを数パターン検討していた事が
各社の報道によって明らかになっています。

そこに戸別所得補償も上乗せし、環境税も上乗せするとなると
どこの社会主義国なのかという話になるでしょう。



・兼業農家の票目当てのために日本の農業が潰れる

民主党の戸別所得補償は品質やコスト削減努力は一切評価されません。
市場価格に対してどれだけコストがかかっているかで
その差額を決めて出すというものです。

日本の農業の弱さは全体の8割が零細兼業農家であり、
規模が小さいために価格競争力も品質向上の投資も無いところです。

そのための解の一つがこの数年自民が行ってきた農地集積化政策でした。
法人や専業農家がこうした零細兼業農家から土地を借り上げ、
生産規模を大きくすることでコストを下げ、
投資効果をより大きくできるようにすることでした。

しかしながら、票買収が目当てで
品質向上や生産量拡大には使われない民主党の戸別所得補償では
最も競争力のない零細兼業農家が戸別所得補償によって維持されてしまい
戸別所得補償が海外との価格差０を実現する規模まで拡大されなければ
やがて戸別所得補償によって下げられた価格によって
専業農家の収益も圧迫することになります。

元々零細兼業農家が農家を続けていくかがまず不安定ですが、
専業農家の収益構造が悪化すれば
専業農家までが不安定化することになりさらに農業が衰退していきます。



・すでに農地の貸しはがしが起きている

戸別所得補償目当てに「飼料米」や「米粉用」などの生産をするとして
農地を借り上げて規模を拡大させている専業農家に対して
兼業零細農家が農地の貸し出しをやめて農地を取り上げる問題がすでに起きています。

兼業零細農家にとってはその方が収入があるのですから、
彼らは間違った選択をしているわけではありません。

ですがそれによってせっかく収益構造を改善させてきた専業農家は
努力がリセットされてしまうのですから
そうした状況ではさらなる農業の競争力の低下にもつながります。



民主党はこの1年弱で日本の外交も経済も教育も壊してきました。
そしてまた農業も選挙目的のための票買収で破壊されようとしています。
10月から完全実施される小麦の政府備蓄の廃止なども合わせれば
日本の食糧安保体制の破壊に向かっています。


ついでに言えば影響は年数が経つほどに大きく出るはずで、
彼らが政権を引き摺り下ろされた後にこそ影響がはっきり出るはずです。

かつて細川内閣で失われた10年を作り出した人達が今の民主党です。
あの失われた10年によって作られた不況と巨額の財政赤字を
マスコミと民主党はひたすら自民に責任転嫁して政権を簒奪しました。

マスコミは民主党が破壊しまくった日本の惨状を
またそのときの与党に責任転嫁して
新民主党（どうせ看板をかけかえてます）に
再び政権を取らせようとするでしょう。