日本が主権を放棄した日

本日午後、那覇地検が
領海侵犯の上衝突事故を起こした中国人の船長の釈放を決定した
という報道がされました。

那覇地検の鈴木亨次席検事は
「我が国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」
と釈放理由を説明したとのことです。

政治的な影響力を排除し客観的に判断できるためにも司法の独立、
三権分立が認められているわけです。
ところがこの言葉通りであれば那覇地検は司法の独立性を理解せず
主観的な政治判断によってこの決定をしたということになります。


１，政府による圧力だったのか？
２，地検の独断による行動だったのか？


当然ながら１の政府による圧力だったと見るのが当たり前の所でしょう。

そうした内情は別としてこの地検の説明は
日本の司法は政治圧力によって判断を左右される
司法、捜査の独立性というものは嘘で、
日本では法律も状況によって判断が変わる
法治国家ではない国だと海外に受け取られるメッセージを発した
ということになります。

仮に地検が独断でこのような判断をしたのであれば、
この職から追放されなければならない、
検事としての資格が無い連中だという事になります。


今回の報道がなされてから、
あわててあちこちの民主党関係者に急いで事情を聞いて回りました。
そこで名前は出せませんがとある所から
「今回の件は仙谷がやってますからね。
そりゃ仙谷さんの所に抗議しても意見なんて聞き流してるでしょうね。」
と今回の釈放は仙谷が主導して行ったという話が出てきました。

とすれば前述の１で書いたところの
民主党政府による政治的判断ということになります。

しかも、週刊誌などでも指摘されているように
実質的に仙谷が主導権を握っている仙谷内閣であることも裏付けられます。


仙谷が国賊であることは間違いありませんが、
今回はそちらにツッコミを入れるよりも大きな問題があります。


・日本は人質を取れば領土領海という主権侵犯に対し、
主権の主張を放棄するという事実が作られた事
（中国はまた困ったら人質を取れば良いと考えるでしょう）

・尖閣に領土問題が存在しないと言う日本政府の立場を
　日本政府自らが否定したことで尖閣を領土問題化された事

・中国が脅せば簡単に屈するということで、
　アジアにおいての日本の外交力の失墜になった事
（アジアの他国から見れば日本についていくと中国にやられる、
中国についていった方が良いという大きな判断材料になります）

・民主党には国益を大きく棄損する致命的な判断であっても
　これを止める人物は居ないという事


領海侵犯という主権侵害に対して主権を放棄する判断をしたこと、
これを党内で止める人間がいなかったこと、
これらは民主党には口だけの議員しか居ないということを証明しました。

主権を守れないのですから国民の安全など守れるはずがありません。
国民の安全を守る気がないのに国民の生活が第一など嘘です。

民主党は日本を守らない政党という事がはっきりしました。
所属議員みなが自己保身に走って仙谷の暴走を止めないのですから、
仙谷一人の問題ではありません。


海外から見れば政権政党がどこだろうと内閣が替わろうと
日本政府は同じなのです。

中共が「日本は領海侵犯に対する自国の法による処罰を自ら放棄した」
として尖閣は中国領だとより強く主張する土台ができました。
従って今回の判断がなされたことで、
今後民主党が政権から引き摺り下ろされた後も、
日本政府にとって尖閣をどうやって守っていくのか
という政治課題を残される事になります。


他方、米国政府は今回の領海侵犯に対して、
日本の主張が正しいとして支援に回り、
尖閣は日米同盟の対象内であるとまで公式に説明しました。

ところがこの米国政府の後押しも日本政府は自ら否定した事になります。
今後、中国共産党が尖閣に軍を進めてきても
米軍がこれに対応するかどうかの保証を日本政府が自ら壊したわけです。


また、これによって国内世論の反発が強まって
どうやって情報操作しても世論誘導しきれないとなれば、
マスゴミは仙谷が悪いとか菅直人が指導力がないとか
そういうレベルの問題に矮小化させて乗り切ろうとするでしょう。

問題はそこではありません。
主権意識の無い、日本を守る気のない民主党そのものです。



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