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2010年 12月 21日
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人気ブログランキングへ ---------- 農水省や農水大臣の話も聞かずに上告断念を決定し、 それを一方的に伝えるやり方は、 八ツ場でも普天間問題でも同じでした。 民主党の言う政治主導というのは まともな検討もせずに決めた事を一方的に下に押しつけるだけ。 中国共産党と同じ独裁の手法しか知らないようです。 【諫早判決、上告を拒否=長崎県知事要請に-菅首相】 国営諫早湾干拓事業の排水門開放を命じた福岡高裁判決をめぐり長崎県の中村法道知事は20日、首相官邸で菅直人首相と会談し、上告するよう要請した。これに対し、首相は要請を拒否、上告しない方針を改めて表明した。 上告はこの日が期限で、中村知事によると首相は上告断念について「自分の立場で判断した」と回答した。知事は記者団に「なかなか理解いただけなかったのは大変残念だ」と述べ、首相の対応に強い不満を示した。 判決は原則5年間の常時開門を求めている。政府側は「排水門の管理をすれば防災機能を確保できる」として、高潮などの非常時には門を閉じるなど弾力的に管理する考えを示したという。しかし知事は会談後、「常時開門について理解しているのか」と疑問を呈した。 (2010/12/20 時事通信) 長崎県知事が急遽上京して訴えましたが 人の意見を聞く気も理解する知識も持っていないためか、 一方的につっぱねています。 では今回の判決の要旨を見てみましょう 【諫早湾干拓訴訟 高裁判決要旨(10年12月7日)】 諫早湾では潮受け堤防の閉め切りによって、1550ヘクタールもの干潟が消失し、潮の満ち引きや潮流速が減少するなどしており、生物の生息環境に影響を及ぼす貧酸素水塊の発生が促進されている可能性が高い。赤潮の発生が促進されている可能性もあり、諫早湾やその周辺では魚類資源減少に関与する要因が複数生じた可能性が高い。 国は漁獲量の減少は全国的な傾向で、潮受け堤防の閉め切りが要因ではないと主張する。しかし、堤防が閉め切られた1997年と2005年の漁獲量を比較すると、全国で約24%減少しているのに対し、諫早湾では約51%減少するなど、全国的な傾向よりも、はるかに急激に漁獲量が減少しているというべきだ。 堤防閉め切りと漁業被害との因果関係を肯定するのが相当だ。 ■閉門の影響で有明海だけが極端に漁獲量が減っている? さて、裁判を傍聴していたわけではないので 実際に原告側がどのような理屈を展開したのかはわかりませんが、 本当に諫早湾つまりは有明海の漁獲量だけが突出して減少しているのでしょうか? 実際にグラフで見るとわかりやすいです。 有明海における漁獲量のグラフを見てみましょう。 これを見ると貝類は97年の閉門よりも前から大きく減少傾向であることがわかります。 2001年に底になっていますが、以降は微増しています。 有明海ではなく八代海の漁獲量の変化を見てみましょう。 有明海と同じく97年に比べれば2005年は漁獲高が4割近く減っています。 有明海だけが極端に減っていますか? たとえば有明海と接していない鹿児島県ではどうでしょうか? 以下の鹿児島県の漁獲量の表を見ると97年はどうも豊漁だったようです。 そこと比較すればその後の年は半分近くに落ち込む漁獲量大幅ダウンと言えます。 鹿児島は別に湾を門で締め切ったわけではありません。 また、干潟の象徴にされたムツゴロウについて見てみましょう。 佐賀県のムツゴロウの漁獲量のグラフです。 諫早閉門の97年と2005年を比べれば減っているように見えますが、 97年以前にもっと漁獲が少ない年が続いていた事がわかります。 さらにあさりの漁獲量も見てみましょう。 97年に比べて2005年の方が漁獲量が多い事が判ります。 あれれと思うでしょう。 次の有明海のノリ、アサリ、タイラギの漁獲量の表をみてください。 潮受堤防の締切前よりもノリの生産は増えています。 こうしてグラフを見ていく限りは、 有明海だけが突出して減少しているように受け取れるような おそらくは原告側がそのような部分的なデータだけを出したものと思われます。 さらには魚介類にカウントされないノリの生産量は増えていることもわかります。 ■本当に干拓門が犯人なのか? 閉門前からノリ生産量の増加に合わせて貝類の漁獲が減っているように見えます。 2001年、ノリの不作の年はアサリの漁獲が増えていることもわかります。 養殖ノリの病気や他の藻類の混成を防ぐ方法として 最初は偶然にコーラでその効果が発見され 以降、ノリの酸処理として養殖網を酸性の液体に5~10分浸し、 これを海中へ戻すという方法が取られるようになり、 低コストで高品質のノリを生産する手法として普及しました。 昭和54年あたりから行われ、 グラフで大幅にあさりの漁獲が減っている昭和60年頃に全国へ普及しています。 今では全国の9割近くのノリ養殖で酸処理が行われています。 水産庁によりプランクトンやアサリ、 またそれらの卵は水のpHによって発生障害が起きる等の実験がなされており、 水産庁の15年前の実験では 大量の海水で希釈されていればあまり極端な影響は無いだろう という結論が出されていますが、 この実験では未解明な部分があると付記されています。 こうした検証ももっと念入りに行われるべきでしょう。 ■乱暴な判決 さて、今回の福岡高裁の判決は佐賀地裁の判決を支持するものでした。 その佐賀地裁の判決要旨から一部をピックアップします。 堤防閉め切りの前後で諫早湾などにおける赤潮の年間発生期間などが増えたが、その原因を特定できるほどに科学的知見の集約が行われていない。閉め切り前のデータが不足し、有明海の環境変化との疫学的な因果関係を認めることは困難。 もっとも、諫早湾内とその近場の環境変化との因果関係は相当程度の蓋然性の立証はされているものというべきだ。 中・長期の開門調査以外に潮受け堤防の影響に関する観測結果と科学的知見を得るのは難しく、原告にこれ以上の立証を求めることは不可能だ。 開門調査は事業と有明海の環境変化との因果関係を調べるために有用性が認められる。被告が開門調査を実施せず、因果関係立証に協力しないのは立証妨害と言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反する。被告が開門調査などで反証しない現状では、諫早湾内と周辺の環境変化と本件事業との間に因果関係があるとの推認が許される。 開門調査による観測・現地調査は、調整池が海域への生態系移行で最低2年間、その後の調査にも最低3年間が必要とされる。5年間に限り排水門の開放を認容できる。 つまり 「原告側がこれ以上立証できないから 5年間の開門調査によって観測結果と科学的知見を得ろ。」 という事です。 実験のために地元の農漁業者の多くが振り回されることになります。 ■開門する方が損害が大きい 元々、ここは水難も多く、常時開門で水門の機能を無くしてしまい防災になりません。 写真を見てください。 干拓門の内側は淡水化、富栄養化、貧酸素状態の水です。 当然ながらヘドロもたまっています。 水門を開けることでせっかく安定してきた農地は塩害にやられ、 逆に有明海には貧酸素、富栄養化した淡水が流れ込む事になり、 漁場を潰すことになります。 ポンピング効果で13年分のヘドロが有明海に大きく広がると指摘する学者も居ます。 だからこそ、地元の多くは開門に反対であり、 知事も地元選出の議員もみな開門反対を訴え、 先日は2500人が開門反対のデモを行いました。 しかし、50名そこそこの原告団の中の漁師は開門調査で漁場が死んでも 政府が補償金を出してくれると信じているようです。 弁護士もうまいことそそのかしたようですね。 ■公共工事は悪というマスコミの刷り込み この諫早干拓については長良川の河口堰と並んで マスコミが環境破壊だの公共工事は悪だのと宣伝をする象徴として使われました。 今回の訴訟は閉門から時間が経ち、 当時とは明らかに状況が変わっているのですが、 環境派弁護士が悪の公共工事と戦う象徴として 政治利用しているのではないかと思います。 かつての成田闘争が初期と状況が変わって 新左翼達の宣伝の場として利用された事と似たようなものを感じます。 民主党の議員達は基本的にテレビでしか情報を知らないため、 テレビが作り上げたそういうイメージだけでしか物を判断できないようです。 ルーピーのときも普天間の危険性について 「米兵による暴行事件が云々」と、 テレビがセンセーショナルに報道した話しか知りませんでした。 テレビのニュースというバラエティ放送の情報しか知らないからこそ、 普天間移設の問題を軽々しく考えていたのだろうと思います。 今回の件もそういう意識から「政治主導を、指導力をアピールできる」 という程度でしか考えずに突っ走ったのでしょう。 農水省の役人の説明すら聞かずに決めています。 開門調査を行う事で被害が出たとして おそらくその頃には菅内閣どころか民主党は与党ではないと思います。 どう考えても次の選挙で勝てるとは思えませんからね。 普天間や八ツ場と同じく、さんざん引っかき回して 後の人に災厄として残していく事になると思います。 ■国民生活よりも政治主導ごっこを優先 これは話の本筋とは関係ありませんが、 大臣2名が情けない判断をしたので挙げておきます。 当事者と言える長崎一区選出の高木義明文科大臣は 上告断念方針について反対を表明していたものの 「極めて深刻な気持ち。あらためて地元への菅直人首相の真(しん)摯(し)な説明を期待している」 と、あっさりとトーンダウン。 国益>地元の利益 だとは思いますが、 なんの国益にもならず、地元では不利益になるからこそ、 地元の議員達は反対をしています。 それが高木義明は議員として有権者に応える事よりも保身に走っています。 そしてもっと情けないのが鹿野道彦農水大臣です。 彼の大臣としての経歴も因果を感じさせるのでついでに載せておきます。 平成元年(1989年) 海部内閣で 第14代 農林水産大臣 平成元年(1989年) 諫早湾干拓事業 着工 平成22年(2010年) 菅内閣で 第52代 農林水産大臣 平成22年(2010年) 諫早開門を決定 菅直人が松木謙公にそそのかされて決定したと産経は報道しているようです。 そのあたりの経緯は不確かであっても、 決定前に農水大臣にすら話を聞かなかった事は事実です。 農水大臣は後からでもいずれがの方が損害が大きいのかをきちんと説明して抗議すべきです。 それが菅と仙谷で決めた事だと文句も言わずにそれに従い、 「上告断念を決定したから説明させてもらいたい」と 中村長崎県知事に面会を要請してにべもなく断られています。 くだらない政治主導ごっこと国民生活とを比べたら後者を選ぶべきなのは間違いありません。 しかし、鹿野大臣は抗議することもなく前者に従いました。 ↓良ければ応援クリックよろしくお願いします。↓
by ttensan
| 2010-12-21 15:26
| 政治
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Comments(6)
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通行人T
at 2010-12-21 18:28
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突然ですが前に長崎の選挙で負けた際に、石井一が報復云々行ってたのを思い出しました。
漁獲量のグラフは始めて見ました。わかりやすくて感謝です。 ここは元々高潮などがあるようなので開門してしまうと防ぎようが無いですね。ヘドロのこともありますし。 まあ農家、漁業関係者両方に被害が出るのは確実でしょうけど、民主党ならバラ撒きで誤魔化そうとするでしょうね。
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後南朝
at 2010-12-21 19:30
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今、民主党がやっているのは、
(1)管の支持率稼ぎのパホォーマンス (2)小沢との内ゲバ (3)自らの極左イデオロギーにより、日本解体法案(所謂、闇法案)の成立を何度でも目論む。 (4)支那への無条件での朝貢 今、民主党に足りないものは、 (1)景気対策、特に円高対策。 (2)管の思いつきではない、ちゃんとした貿易対策(tppなど) (3)もうやる気ないようだが、公務員経費2割削減と政治主導(管なんて経済は財務省の言いなり、外交は外務省の言いなりだ。なんせエイペックにおいて、支那のコキントーとの会談で、挨拶からメモ見ながら話す大馬鹿者である。)
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ttensan at 2010-12-22 17:39
>通行人Tさん
マスコミは諫早干拓門が閉門された後に「ノリが取れなくなった」「貝が取れなくなった」等々、公共工事は悪という放送をするための象徴として使いました。 実際に漁獲量を調べて見るとこのとおりでマスコミの情報が捏造と呼べるものだという事がわかるかと思います。 開門した方があきらかに被害が大きい上に、せっかく干拓農地でがんばってきた人達の10年の苦労を水泡に帰すわけですから金で済まされる部分ではないと思います。
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ttensan at 2010-12-22 17:45
>後南朝さん
(1)景気対策→なにをやっていいのか判らない。 (2)思いつきではない →独裁しかやり方を知らず、実社会できちんと働いた経験も無いので「話し合って決める」という方法を知らないのでそこから教育が必要? (3)まず「政治主導」の定義が必要だと思います。 事業仕分けもそうですが「無駄」の基準がありません。 また、TPPは調べれば調べるほど「入る必要は無い」ものだとわかってきました。あとでTPPについて書く予定です。
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mie
at 2010-12-23 01:12
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はじめまして。まさに民主党は中国共産党と同じ、独裁を目指しているようですね。
よく調べてあり感心しました。
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ttensan at 2010-12-24 12:40
>mieさん
こちらこそはじめまして。 マスコミがあえて触れないところに核心があるだろうと思って調べました。お褒めいただいてありがとうございます。 党中央が決めた事を一方的に押しつけるだけの中国共産党方式な上に、党内に仙谷に逆らおうという人間が居ない事で余計に独裁が際だっていると思います。
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