熟議の国会どこへ？ 騙し討ちで予算委強行開催

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まずは以下、
民主党が予算委員会を野党不在のまま開催したことについて
読売、毎日、産経と並べてみました。

【来年度予算案が審議入り、４野党は欠席】
(2011/01/28　読売新聞)

【衆院予算委：野党４党欠席で審議入り】
(2011/01/28　毎日新聞)

【予算審議　いきなり強行審議】
(2011/01/28　産経新聞)

産経の見出しの方が適切です。

産経の記事の中身は
　衆院予算委員会は２８日夕、自民、公明、共産、みんなの野党４党欠席のまま、平成２３年度予算案の審議に入り、野田佳彦財務相が提案理由を説明した。

　野党は、民主党の小沢一郎元代表の証人喚問問題について、審議入り前に民主党の姿勢を明確にするよう求めていた。

とあり、小沢の証人喚問を理由に野党が審議入りに応じない
これが原因の一端であるかのような書き方です。
この部分は各紙共通でした。
この件に関しては後述いたしますが、
まずは悪質な時事通信から、

【荒れる「熟議国会」＝予算審議は波乱含み】
　菅直人首相の施政方針演説に対する衆参両院での各党代表質問が２８日、終了した。社会保障改革などで協議を呼び掛けた首相に対し、野党側は「ゼロ回答」で、政策論争はかみ合わなかった。首相は「熟議の国会」を唱えているが、野党側は民主党の強引な国会運営に反発。週明け以降に本格化する２０１１年度予算案の審議をめぐる与野党の攻防は波乱含みだ。
　「『熟議の国会』と言うが、口先だけだ」。自民党の谷垣禎一総裁は２８日の記者会見で、社民党を除く野党が欠席する中で衆院予算委員会を開き、予算案の提案理由説明を強行した民主党を厳しく批判した。公明党の漆原良夫国対委員長も「野党と話し合う姿勢が全くない。熟議の環境を壊している」と記者団に語った。
　民主党が予算審議を急ぐのは、年度内成立を確定させるためには、３月２日までに衆院を通過させる必要があるからだ。同党は野党不在のままでも３１日の予算委で実質審議入りする方針で、安住淳国対委員長は２８日、「私は野党時代、（国会審議に応ぜず、当時の与党に）『税金泥棒』とやじられた。まさか自分たちが審議拒否をするとは思えない」と自民党などをけん制した。
　ただ、参院では野党が多数を占めており、予算を執行するのに必要な関連法案の成立には、野党の協力が不可欠。民主党国対幹部は「与野党のどちらが正しいか国民が判断すればいい。手練手管は使わない」と正面突破の構えだが、野党の態度硬化を招く国会戦略に、同党内でも「見通しを持ってやっているのか」（中堅）と疑問の声も出ている。
　３日間の代表質問では、首相が答弁漏れを繰り返したり、外交演説を早口で読み上げた前原誠司外相が野党の反発を買って陳謝を強いられたりするなど、緊張感を欠いた場面も目立った。政権の命運が懸かる予算審議に向け、民主党内には「先が思いやられる」（閣僚経験者）と不安が広がっている。
(2011/01/28　時事通信)

赤文字の部分。
野党がなんでもかんでも拒否しているかのように思わせるための嘘です。
自民は以前から消費税を全額社会保障として10％というのは明確にしています。

ところが、菅直人の呼びかける社会保障改革の協議というのは
社会保障を理由にした大増税
これをやりたいのですが、ノープランなのです。
予算も詳しい財政の状況も権限は全て民主党が持っているのです。
ですが、自分達では全く提案せずに「協議に応じろ、提案しろ」と言っています。

自分達の案というものをきちんと提示せずに
単に協議を呼びかけ、出て来た案で増税の責任を野党にかぶらせよう
こういう姑息な考えだから共産党含めた野党みなが相手にしないのです。


さて、前述の予算委員会の開催ですが、
自民党の逢沢国対委員長が
「自民、公明、共産、みんな、全ての野党が出席できない状況の中、与党だけで予算委員会を強行開会。何でこんなむちゃくちゃやるんだろうか。予算委員会を民主党が壊している。」
と発言しています。

小野寺五典議員のツイートより引用します。
今日は予算委員会は無いということだったので自民の議員は午後からは地元に帰った人も多かったのですが民主は予算審議を野党各党が居ないまま強行しました。許されざる暴挙で本当に無茶苦茶です。

前述の時事通信の記事内の赤文字部分の安住淳の発言がさらに大問題です。
審議日程は与野党の国対委員長で調整し、
細部を理事会で調整して日程が組まれます。
野党の国対委員長には28日の審議開会は無いという話で進め、
野党議員がみな帰ってしまった夕方に
予算委員長である中井洽が委員長権限で開会を強行しました。

3月2日までに予算を成立させたいがために審議を強行しよう
このために民主党が騙し討ちをしたのです。

そしてその騙し討ちを主導した安住淳は強行開会を野党に責任転嫁し、
審議拒否をする野党の姿勢を批判する発言を平気な顔をして行っているのです。

マスゴミは民主党政権を守るために細部をきちんと報道しないので
嘘でさらに上から塗り替えてしまおうという事でしょう。
また、会見で安住淳は
「欠席の理由が分からず、国民から見て理解を得られるとは思えない」
とも発言しており、厚顔無恥には呆れるばかりです。

各紙とも来週の月・火の二日だけで審議する日程が
このあと予算委の理事会で組まれたとだけ報道しています。
共産党の理事なども騙し討ちとして抗議していますが、
こちらもこれらの議員が帰ってしまってから民主党だけで決めた騙し討ちです。

騙し討ちをしたことで週明けの国会は間違い無く空転するでしょう。

民主党は安住を更迭するのが筋です。
平気で嘘を言って相手をハメる暴挙を主導したのですから、
この嘘吐きを信頼して協議などできるはずがありません。
ただ、責任を認めたら負けという中国共産党型思考の民主党は
おそらく話を誤魔化しにかかって安住を守ろうとするのではないかと思います。
ですが、通常国会冒頭からこうした騙し討ちをするというのは過去に例の無い話で、
責任は非常に重たいものです。


ついでに、中井洽の昨日の予算委員会での発言が以下

「これより、会議を開きます。開会に先立ちまして、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、みんなの党、所属委員に対し、ご出席を要請致させましたが、ご出席は未だ得られていません。
再度、理事をしてご出席を要請致させますので、しばらくそのままでお待ちください。」

これで5分だけ待って民主党だけで予算の趣旨説明を行いました。
（待ったところで不在を確認してからやっているので出席できるはずがありません）

長くなってしまったので簡単に以下まとめ。


・審議入りの前に野党各党が「小沢の証人喚問どうすんの？はっきりしろ」と要求
　↓
・民主党、党分裂は避けたいのでそこには触れずに審議入りの話をする
　↓
・与野党で審議日程調整つかず。
　とりあえず28日の審議は無いということになり野党議員みな地元への帰路に。
　↓
・夕方、野党各党の議員が居なくなってから中井洽が委員長権限で開催を強行
　↓
・野党不在をいいことに予算委理事会で予算審議は31日、1日の二日間と勝手に決定
　↓
・安住国対委員長、マスコミが詳細を伝えないことを良い事に
　野党の審議拒否という話にしようとする。
　↓
・野党猛反発、週明けの審議の欠席はほぼ不可避な情勢　　←今ココ


マニフェストで国民を騙し、
最低でも県外と言って沖縄県民を騙し、
国会では野党を騙し、
国民を騙してTPPを進めようとしています。

　嘘吐きは民主党の始まり



1/29追記：今日付のしんぶん赤旗で
【民主党、野党不在のまま予算案の趣旨説明強行　理事懇談会さえ開かず　横暴な運営に野党4党が抗議】

として記事になっていますね。
理事会、理事懇談会も開かずに野党議員が帰ってから
自分達だけで理事会を開いて日程も決定。
これが暴挙でなくてなんなのかというところです。




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