本当の想定外とは

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今日の国会答弁で当然のごとく、
1時間近く海水注入を停止させた菅直人の指示が追及されましたが
あいかわらずの責任転嫁でした。

さて、そんな菅直人の主張をものすごくざっくり整理しますと


俺様がベントを指示したんだ！
　　↓
東電がベントを実行しない
　　↓
ベントをさせるためにヘリで乗り込んだ


東電が政府へ報告もせず、指示も受けずに勝手に海水注入開始
　　↓
東電が海水注入を中断
　　↓
菅直人が海水注入を指示して再開させた


当然、これらはすぐにバレる嘘なのですが
その辻褄合わせに政府発表の資料を改竄し、
マスコミもなんとかストーリーを合わせようと苦心している状況です。

事故直後の当時の発表資料を保存している人も少なくなく
そこにはベントの指示が彼らが国会で主張する
3月12日AM1:30ではなく、6:50だったことがはっきり記載されており、
また、12日未明の記者会見で枝野自身が
ベントをする際には発表をしてから行うと回答しています。

また、海水注入の件は国会答弁どころか細野、海江田、斑目、菅直人と
みな言う事が食い違っており、
これもまた政府発表の資料を5月21日に書き換えているので
民主党政府側の嘘であることは疑う必要すらないと思います。
細野に至っては「斑目は確かに言ったと記憶している」って言っちゃったわけですけど、
そのとき首相補佐官じゃなかったのでその場にいなかったわけです。
記録を改竄するだけでは飽きたらず、自分の記憶もクリエイトしたわけです。


今回は別の角度からツッコミを入れておこうと思います。

「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」
(2011/03/16　朝日新聞）

平成23年3月12日（土）午前２-内閣官房長官記者会見
より。
記者質問への答弁　9:36あたり。
枝野
「総理は技術も含めて、専門的な素養お持ちでございます」

【あ～あ～菅無知ぶり全開　有識者に「臨界って何だ？」】
(2011/03/26 zakzak）

そして今日の国会答弁では・・・

【首相「私は原子力の専門家ではありません」】
(2011/05/23　産経新聞)

専門家じゃないから技術的な質問されても知らんと逃げたわけです。

専門知識の無い知ったかぶりの人がしゃしゃり出て来て口出しして
事態を悪化させるだけ悪化させてから
「お前ら専門家だろ、なんとかしろ」
と東電に怒鳴り込みに行った事になります。


菅内閣は想定外だの初めてのことだからだの言っていますが、
少なくとも戦後に総理になって大災害を経験して
再び総理になったような人はいません。誰だって初めてです。

想定外の事に対処するために非常事態宣言だったり
原子力緊急事態宣言だったりを行って
全ての責任と権限を総理に集中させる事ができるようになっています。

そして原発の全ての冷却システムが故障し、
原発から放射能が漏れ出したという想定で原子力防災訓練を毎年やっています。
その訓練を元に報告書を書き、マニュアル化し、改善点を見つけていく
このことも法的に規定されています。

したがって最低限マニュアル通りの対応を官僚に指示すれば
ここまで最悪の事態を招くことはありませんでした。

知識もないくせにしゃしゃり出てきて口出しし、
米仏などからの協力申し出も断り、
自分が参加した原子力防災訓練から半年も経っていないのに
その内容の全てを忘れていて、
緊急の冷却とベントの必要性を保安院に説明されても
パフォーマンスでベントを大幅に遅らせて炉を長時間空焚き状態にし、
気がつけば公邸に引き籠もって何も決断せず、
次から次へと法的根拠の無い対策室だの会議だのを
30近くも設置して意志決定機能を完全に麻痺させ、
挙げ句二次補正予算と国民生活を人質に
政権延命だけに突き進む総理大臣

これこそが本当の想定外です。
どんな優秀なマニュアルであってもそのマニュアルを完全に無視し、
あらゆる面で最悪の選択肢を選び続ける人間がトップだった場合はどうするのか？
などということは全く想定されていませんでした。




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