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変態新聞の印象操作記事から

【福島第１原発：東電社長、地震当日は夫人同伴で奈良観光】
　東日本大震災が発生した３月１１日前後の清水正孝・東京電力社長の行動が２７日、毎日新聞の取材で明らかになった。東電が説明していた「関西財界人との会合のための出張」とは異なり、奈良・平城宮跡や東大寺の修二会（しゅにえ）（お水取り）見物が主で、平日に夫人、秘書同伴という観光目的の色彩が極めて強く、業務に相当するような公式行事はなかった。東電は清水社長の夫人同伴の関西出張を認めておらず、東電側の隠蔽（いんぺい）体質が改めて浮き彫りになった形だ。

　毎日新聞の取材に対し東電は「清水社長の日程は、相手のいることなので公表できない。否定も肯定もしない」と答えるだけで、詳細を明らかにしていない。

　関係者や奈良県によると、清水社長ら３人は３月１０日午後、２泊の予定で奈良市のホテルにチェックイン。１１日に、夫人同伴で東大寺（奈良市）のお水取り観賞が予定されていた。

　清水社長は１１日午後、電気事業連合会会長として平城宮跡を「視察」。見学中の午後２時４６分に大震災が発生し、視察を切り上げ、同日夜の宿泊とお水取りの観賞を取りやめた。電事連は、平城宮跡をメーン会場に開かれた平城遷都１３００年祭に協賛していた。

　関西財界人との会合について、関電首脳は「清水社長に会っていない」と否定し、他の主要関西企業トップも清水社長との懇談を否定している。清水社長の平城宮跡視察についても、東電広報部は「公表できない」としか答えていない。

　大震災後、清水社長は奈良から愛知県に移動したとされるが、奈良からいったんタクシーで神戸空港（神戸市）に向かったとの情報もある。その後、航空自衛隊小牧基地から輸送機で東京都千代田区の本店に戻ろうとしたが、輸送機が途中で引き返したため帰京できず、翌１２日午前に民間ヘリで東京に戻った。

　震災発生時、勝俣恒久会長も中国出張で東京を不在にしていた。

　この間、東京電力福島第１原発は冷却装置が機能せずに炉心溶融（メルトダウン）が進み、チェルノブイリと並ぶ最悪の原発事故に発展した。
(2011/05/28　変態新聞)

清水社長の観光旅行は大問題なんだよという部分に大半を割いて
一応公平に事実を書いたというアリバイ作りのために緑文字の一文を追加。
しかし最後に福島原発が最悪の原発事故に発展した
という一文を付け加える事で清水社長の観光旅行が犯人であるかのように印象付ける。
実に露骨ですね。

そもそも当初はマスゴミと民主党のシナリオでは

・冷却を渋る東電に冷却を命令した菅内閣マンセー

ところがここのところ出て来た情報をまとめていけば、

・海水注入を菅内閣が止めたと報じられる
　　↓
　海江田「海水注入試験をやれと指示してやらせた」
　菅直人「海水注入とかの情報は一切知らなかった、何も知らなかったんだから俺は悪くない」
　（当初の政府発表資料では18:00海水注入を首相が指示となっていた）
　細野「斑目委員長が再臨界の危険が有ると言ったから止めさせた」
　斑目「俺がそんなこと言うわけがない。名誉毀損だ」
そして政府発表資料を改竄し、菅直人による指示が無かったことに。
　　↓
東電「海水注入するよって報告を当時事前に官邸と関係先にFAX送ってたわ」

炉心溶融が起こった福島第１原発１号機の圧力容器内に海水を直接注入、冷却へ。保安院発表。 2011/03/12 16:09 【共同通信】
と当日の報道にも海水注入は16:00の段階で知らされていた。
　　↓
菅内閣側の言い訳は嘘であることが確定

と、この状態のところに
「海水注入を中断してたって言ったけど、実は続けてたわ」
という発表があったわけです。

これを受けて政府は真っ先に
「それじゃ悪いのは吉田所長だな。吉田を処分だ」
と言い出しました。

海水注入問題では菅内閣の言い訳は嘘にしかなりませんから、
吉田が勝手に判断して動いたのだから処分しようと
この話題で誤魔化そうとしているのでしょう。

ところが、どう考えても世間の目はそれで誤魔化されるはずが無く、
変態新聞としてはもっと東電に、清水に責任を押しつけよう
という事でこの記事を書いたのでしょう。


【福島第１原発：東電、線量データを一部紛失】
東京電力は２７日、震災直後に測定した福島第１原発近くの放射線モニタリングデータの一部を紛失していたことを明らかにした。経済産業省原子力安全・保安院にはすでに提出していたため、東電は保安院からデータを取り寄せた。２８日にも公開するが、改めて東電の情報管理の甘さが問われそうだ。

　東電によると、紛失していたのは３月１１日から５日間、第１原発西側でモニタリングカーが採取したデータの一部。測定値を紙に書いていたが、紙に付着した放射性物質を除去するために外部に保管していた際、紛失したという。

　すでに公開しているモニタリングデータは１０分間隔で放射線量の推移を記録しているが、紛失したデータは主に２分間隔のもので、事故初期の線量の推移が詳細に把握できるという。

　記録採取から２カ月半も経過しており、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「早期に公表すべきだったが、数値の異常がみられるものではない」と釈明。一方、海江田万里経産相は「データをなくすようなことはあってはならない」と苦言を呈した。【中西拓司】
　◇枝野官房長官「大変怒っている」

　枝野幸男官房長官は２７日の記者会見で、福島第１原発事故に関連して東京電力に未公表のデータがあったことについて「ただちにその内容を精査、整理して公表し、こうしたことがさらにないか、東電に調査させるよう細野豪志首相補佐官に指示した」と述べた。その上で「こうしたことが繰り返されては国民の皆さんから到底信用されないし、日本の原子力行政全体に深刻な事態だ。私自身、東電との関係では大変怒っている」と語った。
(2011/05/28　毎日新聞)


最も重要な時期である3月11日からの5日間のオリジナルデータを紛失しました。
と発表しています。
オリジナルデータの紛失によって真の値の検証ができなくなり、
どこかで書き換えがあっても再検証できないことになります。
しかも原発西側、つまり陸地側です。

原発北西部方面に特に汚染が広がっていた事実です。
この点で考えねばならないのは3月11日からすでにSPEEDIによる
放射性物質拡散予測が作られていたことはすでに報じられていますが、
北西部方面へ拡散する事は予測済みでした。
ところが当初に同心円で避難区域を発表し、
そのメンツのためだけに同心円にこだわり続けた政府によって
飯舘村やその周辺の人達は不必要な放射性物質を浴びる事になりました。
この原発西側のオリジナルのモニタリングデータの消失により
都合の良い改竄をまた行う可能性すらありえます。

そして、この記事でも気がつくのは
記事の後ろに枝野の発言が付け足されている点です。
この記事を書いた記者は【中西祐司】という署名をしたところまでを書いています。

その後ろの付け足しはデスクで行ったのでしょう。
この付け足しによって悪いのは東電で政府も問題視してるんだよ。
という事を強調する狙いでしょう。

付け足された枝野の発言部分はカットしても記事として問題があるとは思えません。

日本の原子力行政全体に深刻な事態を引き起こしたのは
原発事故をパフォーマンスの場に使えると勘違いし、
ベントや冷却を急がねばならないものを放置して
わざわざカメラマン同伴でヘリ視察を行った菅内閣です。
東電にも相当な責任があることは間違いありませんが、
11日に原子力緊急事態宣言をした段階で、
全ての責任、権限は内閣総理大臣にあります。

ところがあらゆる責任は他人の物、賞賛は俺の物
という「オール転嫁」が基本政策の民主党政府は
責任が生じる場面で片っ端から逃げを打ち、
東電や現場などが自主的に動いた形にする事に拘りました。

今後も政府の責任をぼかすためにいろいろと発表があるでしょうが、
そもそも時系列でどういう流れであったのか
これを常に頭に入れておいて考えた方が良いでしょう。




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