交渉途中で抜ければ良い→嘘でした

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【既視感のあるフレーズ】
で書かせていただきましたが、

日本が多国間条約の国家間の直接交渉で抜けられた事例は無い

ということを書きました。

この時点で
「ＴＰＰをとりあえずやらせてください！駄目だったら途中から抜けても良いんです」
は国民を騙す詐欺の言だと言えるわけですが、

【米首席交渉官、日本のＴＰＰ「離脱論」けん制】
　【リマ＝浜砂雅一】ペルーの首都リマで開かれていた米豪など９か国による環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）の第９回交渉会合が２８日、終了した。

　米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官は終了後、一部記者団に対し「参加の決断は前もってなされるべきだ。真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」と述べた。

　これは交渉参加を検討中の日本政府・与党内にある、国益に合わなければ交渉途中で撤退すればいいとの「離脱論」をけん制し、政府の意思統一を図った上で参加を表明するよう促した発言だ。

　一方、ペルーのエドガー・バスケス首席交渉官は閉幕後の記者会見で、「すべての分野で進展があったが、交渉終了に至らなかった」と述べ、１１月にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議での大枠合意に向け、詰めの協議が必要との認識を示した。バスケス氏は、知的財産権などの分野で交渉が遅れ気味だと説明した。
(2011/10/29　読売新聞)

当の米側が「途中離脱はゆるさん！まず参加するって決定してから来い！」
と言っています。

さてさて、
「交渉してだめだったら抜ければいい」
とそこかしこで吹聴している前原誠司はこの米側の発言にどう言い訳をするのでしょうか？


党内ですらまともに交渉ができない民主党が
国際交渉を有利に進められるはずがありません。
今このTPPの交渉に参加して交渉が上手く進まないからと言って
「俺、この条件嫌なんで抜けます！」と言えば、
米に「なんだとてめー！良い度胸してるじゃねーか！」と脅かされて
「すいません。やっぱりその条件でやらせていただきます」
と土下座するのは目に見えています。

民主党政権になってこの野田政権は特に全方位土下座外交が露骨ですから
間違い無く交渉離脱はありえないでしょう。
また、民主党議員の多くも根性がありませんので、
党分裂＝野党転落という現実を受け入れる事ができず、
強引にTPPを進める執行部に追従していくでしょう。

野田自身はそれを踏まえた上で
党内でTPPをまともに議論せずに、国民にまともに情報開示せずに
TPP参加の結論ありきで進めているのでしょう。


また、野田内閣は
TPPを進めた場合に2.7兆円のGDP押し上げ効果があると試算結果が出た
と報道に発表しましたが、
これが実に酷いもので、マスコミ向けには大串政務官が口頭で伝えただけで
文書などでは出されておりません。
そして朝日新聞だけが今回はまともでした。
きちんと「10年で2.7兆円」と記事にしています。
野田内閣が発表した数字では単年度にすればたった2700億円しかないのです。


先日、農水省の発表で、
【農産物の補償３兆円増　農相、関税全廃で試算】
鹿野道彦農相は２８日の閣議後の記者会見で、すべての国からの農林水産物の輸入関税が仮に全廃された場合、戸別所得補償制度による交付金などが新たに３兆円程度必要になるとの試算を明らかにした。

　農林水産省によると、試算は輸入品との価格差を補償するとの考え方に基づく。農相は記者会見で「機械的」に計算したと説明した。

　現在、交渉参加の是非が議論されている環太平洋連携協定（ＴＰＰ）は米国など９カ国が相手で、ＴＰＰに入る予定がない中国などからの輸入関税は撤廃の対象とならない。

補助金3兆円増額が必要だそうです。
大げさな数字にした可能性もあるので仮に２兆円と見ても

3000億円の経済効果のために２兆円の補助金
（当然これは増税によってまかなわれることになるでしょう）

これのどこにメリットがあるのか私には理解できません。


そもそも自分達が出した試算結果を
文書を残さず口頭で伝える時点で国民を騙そうという悪意しか感じられません。

野田内閣はルーピーや菅直人以上に国民を騙そうという姿勢が露骨です。


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