造反57名、苦しくなった野田

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消費税増税法案に対して
民主党からは57名の造反が出ました。

まずは自民側、採決を欠席した中川秀直について
【消費税法案採決欠席、中川元幹事長の処分検討を指示　自民・谷垣総裁】
　自民党の谷垣禎一総裁は２６日の記者会見で、社会保障・税一体改革関連法案を採決した衆院本会議に同党の中川秀直元幹事長が欠席したことについて、石原伸晃幹事長に処分を検討するよう指示したことを明らかにした。

　中川氏は事前に党執行部に文書で欠席する意向を伝えていたというが、谷垣氏は「（内容は）賛成できないという理由だったと聞いている」と指摘。具体的な処分内容については言及を避けた。
(2012/6/26　産経新聞)

中川秀直は安倍も麻生も背中から撃ちました。
特に麻生の時は「自民党内分裂状態」だのと
「麻生の指導力の無さだ」だのと
マスコミが自民党叩きをするための格好の材料になりました。

今またこういう事をしているわけで
自民としては不良債権としての中川秀直を処分する良い機会かと思います。

【「造反者の処分なしでは協力困難」　自民・谷垣総裁が講演】


　自民党の谷垣禎一総裁は２５日、日本外国特派員協会で講演し、社会保障と税の一体改革関連法案に関し、民主党執行部が衆院本会議採決での造反者を処分しなければ、参院での法案成立への協力は困難との認識を示した。「造反者を処分できないようでは、参院で一緒に審議を進めていけるのか疑問だ。きちんとした処分を強く求める」と述べた。

　同時に「いつまでも採決を先送りするようなことでいいのか」と強調、２６日に必ず衆院本会議で採決するよう求めた。
(2012/6/25　産経新聞)

谷垣は26日の採決の前日に
こうして造反者の処分をしなければ参院での審議協力をしない
という事をあらかじめ言っています。

中川秀直の処分がその基準となります。
造反は当然ながら中川秀直以上の処分がなければならない
とより攻勢を強める事になるでしょう。

何度も書いてきましたが、
与党を解散に追い込めるのは与党だけです。
与党が最初から少数与党ならば別ですが、
圧倒的多数を民主党が握っている時点で
解散に追い込むには民主党そのものを液状化させていくしかありません。

民主党は元々、当選したい、利権にありつきたい
それだけで集まった選挙互助会であり政党と呼べる物ではありません。
そのため意見集約をしようとすれば必ず分裂してしまい
ずっと党の綱領が無かったのです。

本来、政党は意見を同じくする人たちが集まるもので
その意見の一致したものが綱領として掲げられなければなりません。
それができないのですから
綱領のない民主党というのは政党と呼べるレベルではないのです。

財務官僚にそそのかされ、ばらまき予算のごまかしのためにも
消費税増税だけが目的になっている野田に対して
谷垣は3党協議でほとんど自公の要求をのませる形で合意をしました。
そしてその履行を野田に要求することで
意見統一の絶対にできない民主党に意見統一を迫りました。

野田は消費税増税しか考えておらず、
中身も2手先も考えずにこれを履行しようとし、
まんまと民主党を分裂状態にし、自身の足下を液状化させる形になりました。

しかしながら、党の分裂を避けたい輿石は
深く考えずに先送りしてごまかし続けようとし、
また無責任な野田も実質的に輿石に丸投げしていたために
党内政局で復権を図る小沢に動き回る時間を与えてしまいました。

20日に採決する約束が21になり、さらに26日に先送りしたことで
野田はかえって自分の足下をぐずぐずにしました。
57名の造反というのはその結果です。

参議院では民主党は過半数割れをしているので
自公の協力が得られなければ
消費税増税法案は否決され廃案になりかねません。

しかしながら谷垣は
「約束は守れよな！約束しておいておまえら身内から大量造反出して
それで処分無しは筋が通らないだろ。処分しないのなら協力は無しだ」
と言っているので
「厳しい処分をしないことで党の分裂を避けたい」
という事は通用しません。
かといって厳しい処分をすれば党分裂になり
小沢派の党内抗争に燃料を与える事になります。

谷垣としてはようやく民主党を自壊させられるかもしれないところへ
野田を追い込むことができたわけです。
しかも谷垣としては「筋を通せよ」
と言い続けるだけですから、
マスコミがこれを叩くのはかなり無理をしなければなりません。

しかしながらなんとしても民主党ではなく
自民党が悪いことにしたいマスゴミは
【首相延命に手を貸した…自民で強まる谷垣氏批判】
　自民、公明両党執行部は、２６日の社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決で民主党が分裂し、早期の衆院解散を実現したい考えだ。

　しかし、自民党内では、野田政権に協力する一方で、解散などの要求を取り切れない谷垣総裁に対し、不満が強まっている。

　自民党の石原幹事長は２５日の衆院一体改革特別委員会の質疑に立ち、野田首相に対し、「やるべきことをやり抜いたら、解散の判断をするのか」と述べ、関連法案成立後の衆院解散を迫った。首相は「適切な時期に国民の信を問うのが基本線だ」と明言を避けた。

　石原氏と公明党の石井政調会長は、最低保障年金など民主党のマニフェスト（政権公約）の撤回を明言することも求めたが、首相は「旗を降ろしたわけではない」などと突っぱねた。

　石原氏ら自民党執行部は、関連法案に協力する条件に「解散の確約」や「マニフェストの目玉政策の撤回」を掲げてきたが、修正協議で譲歩した。党内では、消費増税実現を優先した谷垣総裁の決断を評価する声がある一方、「結果として首相の延命に手を貸した」（安倍元首相）との批判も公然と出ている。中堅議員の間でも、「執行部は野田政権に協力するばかり。民主党が分裂しなければ、退陣すべきだ」といった批判が強まっている。
（2012年6月26日09時04分 読売新聞）

さっそくこんなことを書いています。

民主党は野田が甘い処分でごまかして続投すれば液状化が進み
小沢が復権しても破綻しているマニフェストや汚職で
やはり国民が民主党に見切りをつける事でしょう。

そのためなんとしても「ジミンモー」や「ジミンガー」で
自民党へ票が少しでも戻らないようにと
憎き谷垣を強引に叩く方向に出ているのでしょう。

3党合意によって
「景気も無視してとにかく増税」方針の民主党案に
２　税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、地方消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。
を付け加えさせているので
今自民党が提出している国土強靱化法案が無視されれば
協力はしないことになるでしょう。
なんとか増税法案も１／３くらい骨抜きにできていると思います。

谷垣はマスコミに揚げ足取りをされないように慎重に動き続けて
ようやく野田を嵌める形にできたのですから評価すべきでしょう。
これで自民党内で谷垣おろし強まるなどというのは
マスコミがそういうことに世論を誘導したいという願望でしかありません。
（一部のアホな議員が引っかかるかもしれませんが）


さて、今回の採決であの人この人。
まずはコウモリ男の原口一博

原口　一博　 ‏@kharaguchi
総選挙で国民に約束したことと、三党合意とどちらが重いか？答えは一つだ。政治の信義と内閣に対して負っている連帯の責任との間で苦しんだ。この手続きまで認めるわけにはいかない。
↓
欠席しました。

賛成か反対か答えは一つだ！→答え：どちらでもない


口だけ番長こと前原誠司は
【「小沢氏は政治家にあらず」　前原氏が痛烈批判】
民主党の前原誠司政調会長は２６日の記者会見で、消費税増税関連法案などに反対票を投じた小沢一郎元代表について「どれだけ日本のことを考えて行動しているのか。次の選挙のことを考えて行動しているとしか思えない」と痛烈に批判した。その上で「本当の政治家は日本の将来を考えて行動する。目先の選挙で物事を決めるのは本当の政治家ではない」と断じた。
(2012/6/26　産経新聞)

小沢は政治屋ですが今更ですか？
ましてや日本の将来を考えずに目先の選挙のために
総連や部落解放同盟と組んでいる人が言っちゃだめでしょう。


増税に賛成した樽床伸二さん
こちらによると

2009年の衆院選前に
「いかなる増税にも反対をします。」
と署名をしていたようです。
ほんとに民主党議員というのは約束を守る気が無い
というのがよくわかりますね。

なお、三宅雪子はツイッターで
三宅雪子 ?@miyake_yukiko35
今日は党議拘束はかかりませんでした。輿石幹事長の尽力かと思います。
３党合意をしたその自民党公明党の討論は耳を疑うものでした。
実務者の方々同士に信頼関係ができていないことを感じさせ、前途多難と強く感じました。
と書いています。

党議拘束を外したのが本当の事だとすれば
野田は谷垣に嘘をついたことになります。
良い燃料を投下することになるかもしれません。

こんな時でもルーピーと菅直人はぐっすり寝ていました。






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