黒字どころか財政再建団体一歩手前

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橋下が今度は夜回り先生に噛みついているようです。
https://twitter.com/t_ishin/status/259920982356152320

橋下徹 ‏@t_ishin
http://bit.ly/R9HnWQ 夜回り先生こと水谷氏は他人の人格決め付けではなく教育政策論を展開すべきだ。もし水谷氏が教育の分野で持ち上げらているなら日本の民主主義がまだまだ成熟してない象徴例だ。教育政策論ならいくらでも受ける。僕も子どもたちの事を想って市長をやっている

なにに噛みついているかというと
夜回り先生のブログ記事
非常に困ったことになっています。　
の模様。

夜回り先生はかつて松浪健太議員を応援していました。
しかし、夜回り先生が応援していた理念など捨て松浪議員は維新へと去りました。
そのことで夜回り先生は今は松浪議員を応援していません。
が、松浪健太はこの夜回り先生と二人で写っている写真を
ポスターにして使っている事が判明。
それが記者会見で松浪健太の背後に映っていたため
夜回り先生に対して「維新の会の支持者なのか？」と問い合わせが殺到し
それが続いていて困っている。
そして維新の会に対しては夜回り先生は全く評価しておらず、
言うことは立派でも何もしてないどころが現場を混乱させただけで
橋下は信用していない、国政とか言う前に子供達のところへ行けと。
あわせてテレビを利用した選挙向けパフォーマンスを非難し、
夜回り先生自身が激怒している。

というような事が書かれています。

この内容に橋下は噛みついたわけです。
夜回り先生の言うことに明らかに分があるとブログ主は考えます。


実際に橋下は子供達どころか大阪の事なんて考えていないでしょう。
「将来世代に負担を先送りしない」
などと言いながらむしろ将来世代へのツケを増やしていました。

自民党大阪府議の出来成元議員の
9月28日の大阪府議会での代表質問
http://jimin-osaka.jp/report/interpellation-h24/h2409/2409-daihyou_deki.htmlから。
抜粋していきます。

出来議員：
大阪府では今年度、実質公債費比率が18.4％と、初めて18％を超え、新たな府債の発行に総務大臣の許可が必要な、起債許可団体となりました。府ではこれまで、橋下前知事が就任されて以来、単年度収支で４年連続黒字を維持してきた、減債基金からの借り入れをやめ、基金積立不足額を復元してきたなどとして、行財政改革に取り組んでこられたことをアピールしてこられました。けれども本当のところは、我が会派がこれまでにもたびたび指摘してきたように、臨時財政対策債等、赤字債の大量発行を行いながら、それに必要な減債基金の積立を行わず、公債費負担を後年度へ先送りしてきたことは、実質公債費比率の推移を見れば一目瞭然であります。その点について、ここではじっくりと検証させていただきたいと思います。

橋下が知事を退任する際に「みなさんは優良企業の社員です」
などと言ってもいました。
ところが実質公債費が膨んでいて今年、
「新たな府債の発行には総務大臣の許可が必要」な「起債許可団体」
になってしまいました。

この4年間で950億円も減債基金に積み戻しできたと橋下は言っていました。
それは事実と言えば事実です。

そのからくりのまえに、この出来議員への府総務部長の答弁から

総務部長：
この4年間に国ルールの減債基金積立不足額がどうなっているかについてですが、950億年の復元は19年度末と23年度末の比較であるのでその時点の数字で申し上げると、平成19年度末時点での国ルールとの比較による積立不足額は3,915億円であります。平成23年　度末時点では5,547億円となっております。
～中略～
国のルールでは、発行の翌年度から発行額の3.3％を毎年積み立てるルールとなっています。これに対して府では、3年据え置き等の異なるルールを採用してきたことから、過去の減債基金の借り入れに加えて、国ルールとの差による不足額が拡大をしてきているということであります。特に最近、臨時財政対策債を多額に発行しておりますので、これにかかる国ルールと府ルールの差というのも数値を押し上げている要因になっていると考えています。

府の独自のルールでは950億円増やした事になっていたが
本来基準にしなければならない国のルールでは
橋下就任前の3915億円から5547億円に膨らんでおり、
実際にはむしろ1632億円も積み立て不足が拡大している事を府の総務部長も認めています。


なにより橋下府政で大阪府の借金は増大しています。
そのからくりですが、
10月4日に行われた栗原貴子府議の一般質問
http://jimin-osaka.jp/report/interpellation-h24/h2409/2409-ippan_kurihara.html
で説明されています。

昨年9月に大阪府が出した資料によると
「将来世代に負担を先送りしないことを表す指標」
として算定基準を出しています。
その算定式は

分子に
実質府債残高（全府債残高＋各種補填債-臨時財政対策債)

分母に
府税＋地方法人特別譲与税＋地方交付税＋臨時財政対策債発行額

これが2倍以内なら良いんだよと言っているのですが、
臨時財政対策債をばんばん発行して臨財債が膨らむほど
分母が増え分子からその金額が引かれるのでむしろ数字が減って見えます。

これで橋下は臨財債をバンバン発行し、
4年間で府の普通会計は842億円の黒字ということになりましたが、
発行した臨財債は23年度まででも800億、1600億、3200億、2800億と
それまでの府知事と違って一気に増やしていきました。
(http://www.pref.osaka.jp/zaisei/kosai/shiryou/pdf/2011_10.pdf
上記PDFファイルの28ページ目参照)

わざわざ黒字をアピールするために臨財債をバンバン発行し、
実質の借金額はふくれていたわけです。
実質公債費に対して積み立てなければならない減債基金積立金も
実際にはきちんと国のルールでやれば、むしろ1632億円不足
というところを府独自の算定ルールで950億円も積み増ししたと言っていたわけです。

国のルールでいけば減債基金を積み立てる必要があることは
平成20年の時点ですでに府側はわかっていた事が
府議会での質疑により明らかになっています。

では1632億円は実際に積み立てることができたのか？

これも前述の9月28日の出来議員の質問から引用します。

出来議員：
それでは、その1,632億円の減債基金の積立が果たしてできなかったものなのか、検証してみます。平成23年度末の財政調整基金残高は1,385億円。それに加え、橋下前知事時代、平成22年度、23年度の知事重点事業が合わせて241億円、さらに、ＷＴＣビルの購入費が85億円です。これらを合計すると、1,711億円と、充分に1,632億円をまかなえる金額となります。つまり、財政調整基金を取り崩し、私学無償化などの知事重点事業やＷＴＣビルの購入をせずに、減債基金にそれを積み立てておれば、そもそも財政健全化団体への転落危機は避けられたのではなかったかと思うのですが、いかがでしょうか。

これに対する総務部長の答弁は
総務部長：
お示しのように数字を足しあげれば、そして、1,632億円の減債基金の積み立てをしていれば、財政健全化団体への転落危機は避けられたというのはその通りです。～以下略～

となっています。

橋下としては嘘は言っていないでしょう。
「府独自のルール」なら減債基金はむしろ増やしているわけですから。
でもそれは適切ではない計算によるわけです。

府債を発行するごとにその償還のために一定率を積み立てなければならず、
債務の額に応じてこれが増えなければならないのに
これを積み増しするお金を出さないできたわけです。

そして黒字と言いながら実際には積み立てなければいけないお金も積み立てず、
今年、起債許可団体へと転落してしまったわけです。

その他にも橋下はこういうごまかしをやっています。
（今回は省略します）

知事の任期満了まで勤め上げていれば当然この「起債許可団体」という事実、
それまでの粉飾の事実を突きつけられた状態で
府知事選を戦わないといけなかったわけですから
理由を付けて知事より権限の小さい市長選に出た事は
むしろこういうものから逃げるためだったのでは？
と見られても仕方ないと思います。

やるだけやってめちゃくちゃにした。
だから二期目という事にならないように大阪市長に逃げ込んだ。
こう言って良いのではないでしょうか？

そうした事から目をそらすためには
敵を作って噛みついたり、大阪都構想のような大風呂敷を広げるなど
視線を逸らすということを続けねばならず、
やり過ぎたためにかえってその化けの皮がはがれるのが早かった。
ブログ主はそう考えています。




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