安倍リフレ政策の危険信号

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昨年は皆様のおかげでブログを続けてこれました。
懲りもせずに今年も偉そうな事を書かせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。


昨年は日本がどうなろうとも
任期満了になろうとも「一票に格差是正ができていないから解散できない」
「まだまだやらなければいけない事があるから解散できない」
と居座り続けようとした野田が
「嘘つき」と本当の事を言われるのが嫌で
さらに党内では仙谷由人らが露骨に野田降ろしに動き出し、
引きずり降ろされるならとやけくそ解散をしたおかげで
ようやく民主党が政権からいなくなりました。

一方、自民は谷垣禎一の下でほとんど離脱者を出さず
一致団結して事に当たりました。

政権交代直後に自民党は消えて無くなると言っていた小沢一郎は
その自民党を分裂消滅させようと
桝添や与謝野を利用しました。
また、政権交代が確実になると
麻生太郎を後ろから攻撃して大敗の原因をわざと作り、
兄の由紀夫を助け、兄とともに与党にと企んでいた鳩山邦夫も
自民党を割ろうとしましたがこれらの企みは悉く谷垣に潰され
寂しく自民党を出て行く形になりました。

小沢一郎は民主党内での権力闘争にも敗れ、
今では泡沫政党の党首として再び落ちぶれました。
常に大事なところで雲隠れするなどして逃げてきた事のツケでしょう。

自民党が再び政権を奪還できそうだという流れになると、
自民党の中の悪い病気がまた出てきました。
かつて中川秀直や古賀誠などが麻生に失点させ、
麻生を引きずり降ろして自分達が権力を握ろうと動いた事で
かえって自民党の大敗の原因となりましたが、
そうした反省もなく古賀誠は再びコップの中の争いを
森喜朗や山崎拓らと結託して行いました。
その神輿に選んだのが石原伸晃であり、
道理も筋もわきまえない石原伸晃はこれに嬉々とし、
党員に自民党総裁選を呼びかけるハガキも自身の写真を使って
総裁選＝石原伸晃という露骨な宣伝に使いました。

谷垣禎一はこのことを知っていたでしょうが、
自身の所属していた古賀派がこういう動きを取られては
総裁選を戦っても勝ち目がありません。

また、小野寺五典や菅原、茂木らがすぐに石原伸晃陣営に付くなど
いざというときに信用にならない面も見せました。
こういうときほど信のおける人物か否かが見えます。

谷垣は最善のタイミングを選んで総裁選不出馬を表明し、
石原伸晃の裏切りを大きく強調する形を取りました。

また、石原伸晃を総裁にすれば自民党を潰しやすいと考えたマスコミは
せっせと石原伸晃ばかりをテレビに出しましたが、
逆にこれによって「サティアン」発言や
尖閣に対して「（中国は）攻めてこない。誰も住んでいないんだから」
発言などが全国に知られる事になりその底の浅さをこれでもかと晒しました。

最終的に派閥横断的に支持を集めた安倍晋三が
石原伸晃や石破茂を押さえて奇跡的に再び総裁になりました。

これによりコップの中の争いで再び権力を握ろうとした
古賀や森喜朗、山崎拓らの企みは潰え、
古賀誠も森喜朗も引退し山崎拓も復権はほぼ不可能となりました。
党内で権力闘争を繰り返す古い自民党が一気に消え
また、総選挙では加藤紘一が落選し
新たに自民系の阿部寿一が当選するなど世代交代も進みました。


海江田は民主党にとっての谷垣になるには胆力が決定的に足りません。
大きな政党のリーダーはとにかく孤独に耐えて判断する胆力が必要です。
そこが決定的に不足している上に、
実質的には海江田を担ぎ出した旧社会党および旧民社党派閥が
党内で権力を掌握し、かつての主流であった
凌雲会（前原派）、花斉会 （野田派）などをさっそく冷遇しています。
党として団結して再生するためには旗印となる綱領を定める必要がありますが、
元々選挙のために政策のすり合わせを無視して集まった選挙互助会だけに
指導力と胆力の無い海江田程度でまとめられるとは思えません。

一方、民主党の口だけ保守の手をうまく真似し、
過激に保守っぽいことを言っていれば票を取れると考えたであろう橋下は
実際にそれで注目を集め支持を集めましたが、
自民党が保守の安倍晋三が総裁になると
どうしても橋下の薄っぺらさが目立ち支持を伸ばせず
迷走し、平沼を仲介に石原慎太郎と合流。
橋下の後ろにいるスポンサーのマルハンなどにとってみれば
保守票を分断してもらいたかったのでしょうが、
むしろ民主党の票を分断しました。
それでも比例で大きく票を集めた所に
2009年に勢いで民主党に投票した層の存在を確認できます。

旧たちあがれ日本の議員を除けば
民主党などから逃げ出した無能議員達と
2009年に当選した民主党議員以上の素人の新人達という寄せ集め集団で
劣化版民主党と言うべきが維新の会ですが、
早くも党内で分裂しかねない状況になっており
勢いがあと7ヶ月も続くとは思えません。

国会では自民党が単独で２／３の議席を取れなかったため
公明党がキャスティングボートを握る形になり
来年の参院選まで国会であまり事が進むような形にはなっていません。


こうした中でようやく安倍政権が船出することになりました。

誰が名付けたかアベノミクスなどと言われていますが、
この安倍首相が言っている経済政策には積極金融緩和が必須です。

ですが年始からその最大の懸念材料として麻生太郎財務相を挙げなければなりません。

ブログ主は過去の行動から判断します。
この点は麻生太郎であろうと小沢一郎であろうと関係ありません。

麻生政権では経済関係閣僚は財務省の代弁者のような与謝野馨がほぼ独占し、
デフレ維持が目標の財務省の影響が強く、
中川秀直らの積極金融緩和派を蚊帳の外にしてしまい、
日銀はそうしたリフレ政策的な面から見ればほとんど何もしませんでした。
それを政府が問題にすることもありませんでした。
小泉政権後半では竹中平蔵が指示し、政府日銀協調による緩和を行い
この間は円高傾向が止まりました。
その後、福田、麻生、そして民主党政権と
日銀はデフレを放置、むしろデフレ維持政策を続けてきました。

麻生財務相はさっそく日銀の後任人事について
「健康、組織運営、語学の３つを兼ねている人が望ましい」
学者は組織を運営したことがなく、日銀総裁にはふさわしくないと
と注文を付け始めています。

FRBのバーナンキ、イングランド銀行のマーヴィン・キング。
ともに学者です。
組織運営能力を問われて選ばれたのではありません。

「学者以外」
こうなると財務官僚や元日銀などの人間が総裁の候補にされやすくなります。

財務省の息のかかった人物だとネットで周知され
それが国会議員にも伝わったことで
昨年、民主党が河野龍太郎氏を日銀審議委員にしようとしましたが、
参議院で否決、阻止することができました。

仮に白川の後任にたとえば武藤敏郎のような人物が選ばれれば
白川と同じく日銀として実質何もせず、
リフレ政策を妨害する形を取るでしょう。

さっそく麻生が経済財政諮問会議の人事に対して安倍首相に注文を付け
竹中平蔵を外させました。
政策的な部分は別にして、
竹中氏がデフレには緩和が有効であることを主張し実行してきた事は事実です。
そうした人物を経済財政諮問会議から外させた事は
かつての麻生政権の時のように経済対策だけが動いて
金融政策が伴わない可能性を危惧しなければなりません。

日銀とアコードを結んだから日銀法改正は必要ない。

こんな事を言い出したらかなり危険です。
デフレと景気は密接な関係にありますが、
デフレを修正するのは金融政策であり、
景気を調整するのは政治政策です。

麻生政権の時は金融政策ではなく財政出動だけで景気対策を行いました。
安倍首相の主張は積極金融緩和とそれを利用した財政出動です。

いくら積極的な財政出動で一時的に景気が良くなっても
金融政策が伴わなければ円高傾向が修正されずに
またすぐに円高へと戻るでしょう。
そうなれば好況になってもごく短期間にまた減退傾向へと傾くでしょう。

ですから政府の政策目標に従わない日銀総裁を罷免できるようにする
日銀法改正が本命です。
最悪それができなくても
財務省の息のかかっていない見識有る日銀総裁がアベノミクスに必須です。
名目2％の物価目標というのも
「いずれ２％になるのがのぞましい」
というやんわりとした言い方を日銀にさせたりすれば
「守らなくて良い努力目標」ということですから
これもやはり安倍首相のリフレ政策を骨抜きにするものです。

私たち国民には個人崇拝ではなく、常に過去の行動、現在の言動、
これらを客観的に判断することが求められます。

民主党は参議院では大きな存在ですが、
衆議院で安倍首相が注意しなければならないのは
安倍首相のリフレ政策を妨害する党内の議員です。

私たち国民がそれを見定め、警告を発し、周知していかねばなりません。

少なくとも、私たちは昨年の日銀審議委員人事において
河野龍太郎を阻止することができました。
過信は必要ありませんが自信を持ちましょう。



年始からめんどくさい内容でしたのでお口直しに以下
【想像しよう】
　古い記事を思い出して、歌手、ジュリーこと沢田研二さんの「我が窮状」を聴きました。憲法九条への「ラブソングでもある」この曲を、今も歌っているでしょうか。

　自民党の安倍晋三内閣が始動しました。「国防軍の保持」など、改憲に強いこだわりを持っています。

　九条をめぐる窮状、というか、議論はずっと続いてきました。ＰＫＯ協力法でもイラク戦争でも、もっと前からも。九条があるから「普通の国になれない」「国際貢献できない」という声。九条があるから「誰も撃たずに済んだ」「私たちは守られてきた」という声。

　今は亡きロック歌手の忌野清志郎さんは、改憲論議が盛んだったとき、ステージから「この国の憲法を知っているかい」と語りかけました。「戦争はしない、戦争に加担しない。まるでジョン・レノンの歌みたいじゃないか。世界中に自慢しよう」と。

　憲法と歌を並べるのはおかしいかもしれません。でも、九条の平和主義の理想は、ジョンの「イマジン」と響き合うような気がします。「想像しよう。すべての人が世界を分かち合っている」。変わらない思いが歌い継がれます。
　（名古屋本社編集局次長・佐藤亮）
(2012/12/29 中日新聞)

中日新聞さん。
ジョン・レノンは靖国と伊勢に参拝していますよ？





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