単なる対米追従ではない

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17日の参議院環境委員会で石原環境大臣が約10分ほど遅刻しました。
渋滞がどうたら言っていましたがどうやら嘘だった模様。

遅刻なんて誰にでもあるんでがみがみ言う気などないですが
わざわざバレる嘘つかずにごめんなさいしとくだけで良かったでしょうに。
6月の内閣改造で真っ先に交代させられる可能性があるわけですが、
安倍内閣の状態によっては後ろから撃たせないために
もうすこしやらせるという判断もあるかもしれません。

これに対して民主党は「たるんでる！」等々かなり強く反発しています。

民主党にはツイッターに書き込むのに夢中になって
審議を遅刻したと言われる大臣がいました。
（なおこの日の審議は８：５０開始でしたがグーグルアース原口は８：５２にツイートしていました。）

そして3人同時に遅刻という結果に。


ちなみに、民主党政権の遅刻記録の一番乗りは
2009年9月18日に民主党政権になってから初の閣議において10分弱遅刻した
長妻昭です。

この当時の各紙の記事でスタンスがわかるのが面白かったです。
・時事通信「長妻は約7分遅れた」
・産経新聞「長妻は約6分遅れた」
・読売、毎日「長妻は約5分遅れた」
・朝日「長妻は4分遅れた」

なるべくたいしたことがなかったようにしたいのか
各社とも1分ずつ刻んで減らしていっている努力がうかがえます。

さらに言うと、国会審議中に審議を逃げ出して
食堂でコーヒーを飲んでのんびりしていた大臣とか、
嘘の審議日程を教えて野党を欠席させて民主・社民・国民新だけで強行採決とか
そういうのもあるので民主党はここでムキにならない方がいいでしょう。

さて、ロシアのクリミア編入発表および米国からの対露制裁要請もあり、
安倍内閣はロシアへの制裁を発表しました。

まずは外務大臣談話。
【クリミアにおける住民投票の結果を受けたロシアに対する措置について（外務大臣談話）】
1　ウクライナ・クリミア自治共和国における住民投票は，ウクライナ憲法に違反し，法的効力はなく，我が国はその結果を承認しません。

2　ロシアがクリミア自治共和国の独立を承認したことは，ウクライナの統一性，主権及び領土の一体性を侵害するものであり，遺憾です。我が国は，力を背景とした現状変更の試みを決して看過できません。

3　このような動きを受け，我が国としては，ロシアとの間で（1）査証緩和に関する協議を停止し，また，（2）新投資協定，宇宙協定及び危険な軍事活動の防止に関する協定の3件の新たな国際約束の締結交渉開始を凍結することとしました。

4　我が国として，ロシアが，国際法を完全に遵守し，ウクライナの統一性，主権及び領土の一体性を尊重して，クリミアの独立承認を撤回すること，クリミアの併合に踏み出さないことを強く求めます。また，ウクライナ東部において緊張が高まっていることについて深刻な懸念と憂慮を表明します。
(2014/3/18　外務省)


すばらしい。「口だけ」で実質的なロシアの被害無し。

明らかにやること全てが後手後手に回っていて、
しかもロシアとも日本ともEUとも根回しなしという
「日本の民主党政権の外交姿勢」をそっくり真似たような
米国のオバマ政権の外交では、
下手に米国追従を強調して実効性のある制裁をやったりしたら
後始末によるロスの方がよっぽどリスクです。

アラブの春をマンセーして、リビアなどをカオス化させ、
エジプトの親米政権を倒させてその後も中途半端な介入ですぐに放り出して
エジプトもカオス化させ、シリアでも中途半端な圧力をかけたり、
とにかく今のオバマ政権の外交は稚拙というしかありません。

今回のウクライナの件は支持率低下に喘ぐオバマ政権が、
かっこをつけて発表しちゃったりしている事もあって
引くに引けないので無理矢理カードを切っているように見えます。

いまの米国とEUにとってロシアと事を構える余裕なんぞないはずです。

そもそもウクライナにロシアが介入する余裕を与えずに
親米政権を作って作戦を完了させなければ
その時点で作戦は失敗だったわけです。
そして失敗して見事にプーチンに対応されたわけですから
クリミアを落とし所にロシアと早々に妥協点を探るしか
米側には選択肢が無いはずなのです。
そこを無理矢理経済制裁だなんだと対抗しようとするから
なにもかもが後手に回るのです。

そこでドイツは「米国が入らない多国間交渉の場が欲しい」と言いだし、
フランスはロシアへ揚陸艦の売却をする計画を中止は検討していないと表明するなど、
米国の影響力が明らかに低下していると言ってよいかと思います。

今回の日本政府の対露制裁内容はというとまとめると

１，日露政府間での投資協定の協議は凍結するよ
　でも4月に予定されてる日露投資フォーラムは民間が主催してるので政府は関係ないです。

２，日露政府間での「危険な軍事行為の制止」に伴う協議は凍結するよ
　ビザ緩和についての協議も凍結するよ
　でも5月に予定されてる外相の訪露は予定通りやりますよ。


見事に実質的被害が発生しないようになっています。

いまの米国政府が頭が悪いということを条件にいれておかねばなりません。
そして無理筋の介入に顔を真っ赤にして
EUや日本を巻き込んでいる形であるという事も重要です。
日本としてはいざというときの対中で手を組める軍事力のある国
と考えればロシアは決して信用してはいけませんが、
それでも実効性のある制裁を科すようなことはしておくべきではないでしょう。
ある程度対米追従をしてみせておきつつ
無駄に日本がリスクを背負わない形を選ぶという方法は正しいと思います。

どう考えてもいまの米政府にロシアを引っ込めさせる手が無いのですが、
支持率低下にあえぐオバマのポピュリストぶりを考えると
（しかもケリーもバイデンもシリア攻撃を強行しようとしたわけですし）
最悪武力介入というもっとも不適切な選択肢を選ばれかねません。

日本の民主党政権で私達がわかったことをなんの躊躇も無い表現をすれば
「馬鹿は何をするかわからない」だと思います。
まぁ、さすがにそこまではいかないとは思いますが、
頭の隅っこに置いておく必要があると思います。




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